TERASの背景

昨今、わが国のソフトウェア産業を取り巻く環境は時々刻々と変化し、同時に極めて厳しい局面を迎えつつあることに議論の余地は少ないと思われます。増大の一途を辿る開発規模・グローバル化による海外競争の波・品質と安全に対する規制の厳格化など、まさに「待ったなし」で押し寄せてくる多くの課題に対峙するために、既存の枠組みに固執しては太刀打ちできません。むしろ既存の枠組みを超えたパラダイムで、新たな産業基盤を構築することが急務なのです。

一方、ソフトウェア産業・学門の川下を広く眺めれば、新たな産業基盤を生み出す萌芽は決して少なくはありません。日々創り出される新技術・ソフトウェア工学の進化・産業のコンバージェンス化・本格的に広がり始めたITクラウド技術など、今まさに、各産業の開発の現場でツールによる自動化を図り、生産性を向上させる絶好の機会なのです。

しかしながら、直近の経済産業省の調査資料を観ても、わが国のソフトウェア産業でのツールの使用率はまだまだ低いことが窺えます。「肝心のツール自体が高価なこと」・「ツールを使う環境が整備されていないこと」など、裾野の中小企業にとって、ツールはまだまだ敷居の高い存在であることが大きな要因と考えられています。この状況を打開すべく、①クラウド環境上に、②オープンなツールプラットフォームを設け、③ツールの利用拡大を図り、④同時にツール産業にもプラグインの形で積極的な参加を募ることができれば、製造業・ツール産業・消費者の三者間のwin-winな関係を提供する、世界に例のない新しい開発環境が実現されるでしょう。

一般社団法人TERAS (Tool Environment for Reliable and Accountable Software) は、まさにその目的のために発足されました。TERASは、まずソフトウェア開発環境の研究・開発ならびに標準化および信頼性・ 安全性等の評価を含む実用化の促進を行います。そして、組込みシステム産業及び組込みシステム産業に係る製造業の振興を図り、以って日本経済の発展に寄与することを目的とします。

この目的に資するため、TERASでは以下の事業を担います:

  1. ソフトウェア開発環境の研究・開発に関する事業
  2. ソフトウェア開発環境の普及及び啓発、促進事業
  3. ソフトウェア開発環境に関する内外関係機関・内外諸団体との交流及び協力
  4. 前各号に附帯又は関連する一切の事業

わが国がもう一度「科学技術創造立国」として再興するために、TERASはその一翼を担う所存で活動していきます。

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